群馬県の峠の一部が冬季通行止めになる理由
群馬県は関東圏に位置するも北毛(県の北部)は数多くの峠が存在します。
赤城山から南部の前橋・高崎・伊勢崎方面は平野部に属しており、赤城おろし(いわゆるからっ風)が吹いてくるのとは対照的です。北部は山間部なので風は少ないですが降雪量が非常に多いのが特徴です。
ではなぜ群馬県の峠の一部が冬季通行止めになるのでしょうか。
簡単に解説します。
冬季の交通量、除雪や安全面を考慮して通行止めになる
先ほど挙げた北毛地域は長野・新潟・福島・栃木県の北部と隣接しており、地域によっては標高2000mクラスの山々がそびえ立っています。
その中で他県とのルートを確保するために作られたのが峠道です。
それで峠道自体は比較的標高が高い地域が多く、冬場は降雪量が非常に多いのが特徴です。場所によっては峠のピークが2000mにも達する地域があるので想像に難くないでしょう。
なおかつ県境は元々山(頂上)を堺にしているので峠になっている部分は標高が高い所が多いのです。金精道路や志賀草津道路などはその一例です。
ではなぜ冬季通行止めになるのでしょうか。
一番の理由は降雪量の多さにあります。
降雪量が多いとそれだけ除雪に時間と費用がかかります。なおかつ交通量が少ないと、毎回除雪をするだけに見合った効果が見込めないのが大きな理由です。
それと共に安全面の問題もあります。
例えば金精峠の県境近くは標高1800メートルほどの高さになります。降雪量も多いだけでなく携帯電話がつながらない地域もあるでしょう。
近年は突然の大雪に見舞われることも少なくありません。なおかつ峠に属する自治体(例えば群馬県側だと片品村)の除雪能力には限りがあります。
では、山深いエリアで突然大雪が降って、なおかつ携帯電話がつながらない地域で交通上のアクシデントが起きた場合は・・と考えるだけでゾッとしますよね。(時折降雪地域で聞くニュースですよね)
ちなみに金精峠は生活道路ではないので地元の人ですら旅行以外にはめったに通らない道です。大抵は旅行者なので地元の状況にも通じておらず不慣れな人が少なくありません。
地域やドライバーを兼ね合わせて考えると冬場標高の高い地域を通行止めにする理由も明確ではないでしょうか。
片品村の地域で考えてみると、対象的なのは背嶺峠です。すでに椎坂トンネルが開通しているので旅行者はわざわざ背嶺峠を通る必要はありませんよね。
しかし片品村の地元の人、花咲方面に住んでいる人によっては生活道路なので交通量もそこそこあります。標高も金精峠ほど高くなので降雪量も村で対応できる程度です。
これらの理由から群馬県の標高の高い峠は冬季通行止めになるのです。